月替わりで登場する案内人は、TikTokで「NMB48衣装図鑑」と称して衣装の細部や着脱方法を紹介している前田令子さん、将来は“自分のブランドを持つ”という夢を持ち、メンバーの衣装作りも経験したことがある原かれんさんの2人。
一体どんな製作エピソードが飛び出すのか?
第5回は、前田令子さんが案内人を担当してくださいました。
ゲストには、2023年3月27日に初の写真集を発売した安部若菜さんが登場!
NMBらしさ全開!ファン人気No.1の和の要素を取り入れた『HA!』のMV衣装
まずは、松永による衣装紹介!最初に話を聞くのは、道頓堀川に浮かぶ屋形船でメンバーが踊る姿がインパクト抜群な『HA!』のMV衣装。
「初めてのことだらけの衣装でした!おかげさまで2020年にライブと連動した投票企画として行った『NMB48衣装総選挙』では1位をとらせていただき、衣装スタッフとして冥利に尽きますね。本当にありがたいです!衣装は全メンバー共通ですが、襟元に付いているビジューはフロントメンバーから装飾を多めに施しています。お袖は右腕だけで、左側は大胆に腕を出して艶っぽく!和風衣装はパンチを効かせて総柄プリントで派手に!下に履くスカートはシンプルな黒革をプリーツ加工して、48グループらしい制服感を出しました。NMBだけでなく他グループさんにもお貸し出しさせていただいたり、『ほんと何回使っていただいたんだろう?』ってぐらい、たくさんのメンバーに着ていただいてる衣装です」
元はアカリンのドレス!生地を再活用した『恋なんかNo thank you!』の衣装
続いて、吉田朱里さんがセンターを務めた24thシングル『恋なんかNo thank you!』の楽曲衣装。こちらもたくさんの思い出が詰まっているそう。
「2020年に開催されたあかりちゃん(吉田朱里)の卒業コンサート『さよならピンクさよならアイドル』の後に作った衣装で、あかりちゃんが卒コンの最後に着た巨大ドレスの生地を使っています。元になった巨大ドレスは、紅白歌合戦の小林幸子さんを意識して作らせていただきました(笑)。あかりちゃんが『色はピンク。だけど子供っぽくないグレーよりの大人かわいいピンクがいい!』と言っていろいろ探して見つけた生地ですが、実はこの生地、本来は裏地に使われることがほとんどなんです。でも光沢の加減といい絶妙に素敵な色目で、あかりちゃんも1択で『これで!』となりました。
そこから作ったあかりちゃんの衣装は、フィッシュテールの裾に透け感のあるチェックの生地を組み合わせ、動いた時にウエストから下部分がふわっと揺れるのがポイントです。ロングコートだけど、曲調に合わせた軽やかな印象になるようなシルエットにしています。パイピング部分やレースアップのリボンなど、あらゆる箇所にこの生地を使用しています。あかりちゃんはどんなに忙しくても、いつも写真などで衣装のイメージとポイントをしっかり伝えてくれて、あとは全てこちらに任せてくれます。長年信頼してくれて、いつも本当に尊敬と感謝です!(笑)」
地方色を出した『HA!』の衣装は“NMBの代名詞的存在”
ここからは、前田令子さんと安部若菜さんによる質問タイム。前田令子さんは「『HA!』の衣装が1番好き!」と以前から話していただけあって次々と質問が飛び出し、少し押され気味の安部若菜さんは大興奮の前田令子さんを見守る。
前田「『HA!』の衣装って、インパクト大ですよね。そういう要望があったんですか?」
松永「そうですね。AKB48の29thシングル『永遠プレッシャー』のカップリングで姉妹グループが1曲ずつ歌わせていただけることになり、“それぞれの地方感を出す”っていうのが絶対的なテーマだったので、『NMBは道頓堀で屋形船に乗ってダンスシーンMVを撮ります』って言われて。そのあとに楽曲をいただき、イントロを聴いた時には鳥肌が立って、完全に『これだ!』って衣装イメージが湧きましたね!これまでになかったパンチがあって、NMBらしい力強さが全開で、ドヤ顔のメンバーが一瞬で目に浮かびました(笑)。これはもう“和”でしょ!って、『絶滅黒髪少女』のMVで和から始まり、“NMBと言えば和”だと思ってます」
前田「たしかに!衣装を着たメンバーの反応はどうでしたか?」
松永「ドヤ顔勝負合戦?してました!キメ顔からのドヤ顔とか(笑)。『難波っぽい、NMBっぽい』って、みんな喜んでくれてましたね!」
前田「加入前に1番着てみたかった衣装です!」
安部「れいこはずっと『1番着たい』って言ってたよね。ほかのメンバーもよく言ってました!」
松永「この衣装といえば、どんなイメージがある?」
前田「『これがNMBです』って、誰かに紹介する時に見せる衣装第1位!って思っています」
松永「うれしいー!この衣装は、下に着用しているトップスとスカート以外、帯も含めて生地はすべてオリジナルでプリントしています。和柄は日本の夜桜吹雪をイメージし、そして前面にプリントされた今にも襲いかかってきそうなリアルな虎は、“大阪魂=NMBメンバー”をイメージしました(笑)。裏地の赤い生地にも豹柄のプリントをして、細部までNMBっぽさを出しています。24時間生地屋さんに居座って(笑)、何回も何回もサンプルをプリントしていただき、徹底的にこだわりました。そして撮影日も迫ってきて『やっと生地が無事に揃った』と思ったら、発注してた豹柄のファーに手違いがあって、このファーより若干淡い色が届いちゃったんです。淡い色だとプリント生地のインパクトが弱くなってしまいバランスが悪いので、どうしてもこの色目(採用したファー)にしたくて、必死でかき集めました。そこで諦めていたら、全然見え方が違っていたと思います。そういう細かいところまで本当にこだわって作らせていただいた衣装です。この場をお借りして、協力してくださった生地屋さんをはじめ、当時製作に携わってくれたスタッフみんなにお礼を伝えたいです」
前田「髪飾りもすごいですよね!」
松永「この衣装なら、髪飾りはとことん煌びやかに、派手で艶やかにしたいなって。センターのさやかちゃん(山本彩)の髪飾りにだけ青い羽根が入っています。ボリュームはあるけど、見た目より意外とそんなに重くないんです」
前田「意外と軽いです!ほかにこの衣装でこだわっているのはどんなところですか?」
松永「バックスタイルのお袖にも実は虎がプリントされているので、後ろからも虎がしっかり見張っています(笑)。腕を体の前に持ってくると、上下虎の顔になるのもポイントです!」
前田「ということは、衣装と振付がめちゃくちゃ合ってますよね!」
松永「衣装を見て、振付師さんが振付を考えてくれました。また、このMVでは本当に忘れられない思い出があって…(笑)。MV撮影の時は衣装が着崩れしないようギリギリまで直しに入るため、本番撮影のダンスシーンの時は屋形船の下にいたんだけど、踊り始めたらほんと半端じゃないくらい船が揺れて、船酔いとの戦いで必死でしたね!なかなかそんな経験もできないので、今ではほんといい思い出です(笑)」
アカリンの希望とテレビの企画がマッチしてできた“SDGs衣装”
続いて、安部若菜さんの初選抜曲でもある『恋なんかNo thank you!』の衣装の話に。
前田「形の種類が多いですが、アカリン(吉田朱里)さんから希望があったんですか?」
松永「あかりちゃんから『自分はこういうのがいいけど、ほかのメンバーはその子のスタイルやキャラクターに合わせて、ショート丈やパンツにしてほしい』という希望がありました。あかりちゃんの衣装以外だと、トップスは4型、ボトムスは4型ありますね」
前田「衣装を見ると、みんなの体型に合っていてすごいなって思います。この衣装、さらにスタイルがよく見えます!」
松永「ありがとう、靴のストームやヒールのおかげもあるよね。あかりちゃんらしくヒールは高めだけど、みんなもバッチリ踊ってくれてさすがでした!」
松永「この衣装はもともと作る予定はなかったんだけど、『卒コンのドレスの生地を使って衣装を作りたいね』ってあかりちゃんと言っていたら、なんとTBSさんから『CDTV ライブ! ライブ!』のためにSDGs関連で『リメイクした衣装を作ってほしい』というお話をいただいて、もうほんとにびっくり!口に出したからこその引き寄せというか、そんなこともあるんだなって思いました。さすがあかりちゃんだなと!(笑)。せっかく作らせていただけるのなら、この生地を全面に使うためにコートにして、レースアップなどをポイントで入れました」
前田「本当にアカリンさんと作り上げた衣装なんですね」
松永「そうですね。レースアップのハト目部分のグログランテープもグレーとベージュ、どっちの色もかわいいから、両方使おう!ということになりました」
安部「アカリンさんが『こうしてほしい』って、いろんな部分で言ってたんですね」
前田「アカリンさんのこだわりポイントはどんなところですか?」
松永「スタッズとか、飾りの金具は『ゴールドがいい』って言っていましたね」
前田「リクアワ(NMB48 リクエストアワー セットリストベスト50 2023)で着られるといいよね!でも、トレンドのくすみ系のピンクだから、どの曲でも合いそう。おしゃれで、ほんまにアカリンさんだなって感じがします」
対談の内容を抜粋させていただきました。詳細につきましては「Walkerplus」のサイトに掲載されております。
「READ MORE」をクリックしてご覧ください。