全身で宇宙を表現!唯一無二の“光る衣装”
まずは、松永による衣装紹介!9枚目のシングル『高嶺の林檎』のMVに登場するのは、幻想的な光を纏った華やかな衣装。
“宇宙”がコンセプトだったので、メンバー1人ひとりの無限の可能性を“小宇宙”として衣装で表現できればと思い、NMBらしい豹柄生地の上に宇宙柄や惑星を全面にプリントしました。こちらも撮影日までタイトなスケジュールでしたが、この宇宙柄プリントの上にどうしても星をイメージしたLEDライトを360度装飾したくて…。初めてのことでいろいろと何度も試行錯誤しながら、撮影時間ギリッギリまで製作させてもらっていた衣装です。実はLEDライトのために、合計18本の電池が衣装に仕込まれているので、少しだけ重くなっています(笑)。その分、ワンピースとコート生地には薄くて軽い素材のものを使用しました。ワンピースはブルーベースとピンクパープルベースの2パターン。コートの生地はワンピースのLED(光の反射)との相性を考えていろいろと探したところ、オーガンジー素材の中でもかなり薄手な、グラスオーガンジーがイメージにぴったりでこちらを採用しました。透明度が高くガラスのようなつややかな光沢感があり、そしてなめらかな手触りながらもしっかりとしたハリコシのある生地なので、かなり激しいダンスにも耐えてくれる優秀な“推しの生地”です(笑)。また、デザインは襟のデザインを3タイプに分けました。みるきー(渡辺美優紀)が着ているものは丸くてかわいらしいイメージ、あかりちゃん(吉田朱里)はオープンショルダータイプ。フロントメンバーはラペル(下襟)やベルトの装飾を多めに。ブーツの装飾も、本番直前までさせていただいてましたね」
オリジナルの生地の中に、実はあの動物が…?
続ここからは、かれんたんと松永の対談タイム。
「原「このお衣装は、オフィシャル撮影のときに一度着ただけなんです。ライブでも着させていただけることが少ないので、私たちにとってもレアな衣装ですね!久しぶりに近くで見られました。天文学部が出てくるMVとお衣装がすごくマッチしていますよね」
松永「この衣装を作るとき、最初、“宇宙”っていう2文字だけをテーマにいただいて、そこから想像していきました。宇宙には壮大な力があり、人には無限の可能性があることを衣装でも表現したくて、メンバー1人ひとりが“小宇宙”になるような世界観をイメージして作らせていただきました。そして16人揃ってパフォーマンスしたときに満点の星になるように、360度電飾を施しました。このベースのワンピースはよく見るとラメ入りの豹柄の生地で、その上にオリジナルで宇宙柄のプリントをしています。実はヒョウの顔の惑星もいるんですよ(笑)」
原「ほんまや!知りませんでした!生地から作られてるんですね」
松永「その電飾ワンピースの上から、この光がよりきれいに反射するように、すごく薄い生地だけれど光沢や透明感のあるしっかりとしたグラスオーガンジー生地のコートを着るデザインにしました。この生地もいろいろと探しましたね。この生地のコートがあるのとないのでは、全然見え方が違うんです。ベルト部分の生地も、光をきれいに通すようにPVCであえて少し柄入りのものにし、光が透けてさらに輝くような生地を選びました」
原「この2重構造が珍しくていいなって思っていたんですけど、そういう理由があったんですね。これ1枚でめっちゃおしゃれになりますよね!あと私、ブーツの飾りもリンゴだと思っていました…(笑)」
松永「“宇宙のリンゴ”ってことで!(笑)」
原「いつもセンターの方は1人だけ髪飾りが違ったりしますけど、そういうのはありますか?」
松永「ラペルの装飾や髪飾りは、メンバーによって違いますね。髪飾りは気合いを入れすぎちゃったので、フロントメンバーはちょっと重いですね。踊ると取れやすいっていう課題もあります(笑)」
原「オフィシャル撮影のときも、『これは少し重いけど大丈夫?』って聞きながら着けてくださって。これでMV撮影ってすごいですよね」
松永「すっごい頭を振るダンスなのに、みんながんばってくれました。歌詞もとても心に刺さるものをいただいたので、撮影までタイトスケジュールだったけれど、思い切ってLEDの衣装に挑戦してよかったと思ました」
原「光るお衣装ってないですもんね!」
松永「NMBの過去のシングル衣装の中ではこれだけですね」
原「ほかのアイドルさんでもなかなか見ない、すごく特徴のあるお衣装だと思います」
松永「生地はもう1種類あって、色が違うんですよ。さやかちゃんはブルー系で、みるきーが着ているのはピンクパープルがベースです。かれんたんならピンクパープルですかね!(笑)」
原「それも知りませんでした。あんまり着ることがないから、何もかもが新鮮…!ヒョウがいるっていうのも新たな発見で、ファンの方にも知ってもらいたいです!このお衣装 、『こういう構造にしよう』っていうのはどういうふうに思いついたんですか?2重にするのはスカートだけでもよかったりするし、コートで全身を2重にしようっていう発想がすごいですよね。やっぱり、ファッション誌を読んだりすることも多いんですか?」
松永「ファッション誌に限らずいろいろ見たりしますね。色もそうだけど、素材とかこれを掛け合わせたらおもしろいかも?とか、衣装じゃなくても普段からそういうふうに無意識に見ちゃいます。そういうことないですか?」
原「あります!私の場合は、歌番組を見ていてもダンスのフォーメーションが気になっちゃって。お洋服でもそういうのがあるんですね」
松永「私は衣装作り、かれんたんはアイドル活動、自然と目線がいっちゃうんだろうね(笑)」
原「もはやクセですよね。私は『Time bomb』のお衣装も最初は全然思い浮かばなかったので、いろんな発想が出てくるのがすごいなって思います」
松永「衣装を作らせてもらえる機会もそう多いわけではないので、日頃から1人で勝手にテーマを決めていろいろと妄想したりしてますね(笑)」
原「光でメンバーを表現って聞いて、うれしかったですね。キラキラしてる!」
松永「この頃のMVは2日かけて撮っていることが多くて、1日目はストーリー部分を撮っている裏で必死にこの衣装を作っていました(笑)。実はこのときのMVを撮影していた場所が、今の私の自宅のすぐ近所で。気付かずにそこに引っ越したんですけど、後から『あれ、ここって!』って思って(笑)。発売日もたまたま父の命日だったり…。振り返るといろいろ繋がっていて、できるべくしてできた衣装かなと感じています」
今回は最後に、かれんたんに衣装に対する意識の変化について聞いてみた。
好みの変化などによって、着る衣装が変わることもあるメンバーたち。かれんたんの場合は、「よくロングスカートを当て込んでいただくんですけど、最近は脚をアピールしたいので、短い丈のものを履きたかったりもします。だから最近は短いパンツスタイルを合わせていただけるようになってうれしいです」とのこと。
さらに、「『この形がうれしいです』とか、好きって気持ちはすぐ伝えちゃう。毎回フィッティングはワクワクしていますし、いつも想像以上のお衣装を用意していただいています。リハ期間が大変でも、本番でお衣装を着られるのがうれしくって、『これを着て歌いたいからがんばろう』ってモチベーションになっています。お衣装のパワーってすごいんですよ。自分のために作っていただいたお衣装は宝物なので、もし卒業したら、本当は全部持って帰りたい(笑)。
前まで、自分のために作られたお衣装は誰にも着てほしくないって思っていました。『だってだってだって』のときとかは本当にそう思ってたんですけど、今は逆に、こうやって先輩方のお衣装を紹介させていただいて、『長く受け継いでほしい』『後輩に“着たい”って思ってもらえるようになりたい』ってすごく思います。それぐらいお衣装が大好きで、大事。全部宝物です」とうれしそうに話してくれた。
松永の熱意に負けず、細かい部分に着目してたっぷりとこだわりを聞いたかれんたん。次回は、れいこちゃんが案内人として登場。れいこちゃんも大好きという、ド派手なあの衣装を紹介する。お楽しみに!